土木事業に間伐材を
現在すべての土木分野において、省コスト化とともに環境に配慮した工法が強く求められております。中でも森林の保全に必要不可欠な間伐を推進するため、景観材の機能を併せ持つ循環型天然素材、間伐材の活用が注目を浴びつつあります。
しかし数々の利点を持ちながらも、木材は「腐る」というその性質上、「いずれ腐っても良い」個所に限定され利用されているのが現状です。
『未活用分野にも積極的に間伐材を利用できないか』
これをテーマに宮城県林業試験場との官民共同研究を行い、土留工法と転落防護柵に間伐材を活用する新工法を開発しました。
間伐パッション工法 フェンス
スギ間伐材を利用した歩道用転落防止柵を宮城県林業試験場とともに開発しました。景観を重視する箇所に最適です。
- 支柱及び打ち込み方法・間隔は、従来の普及型防護柵(歩道用P種ガードパイプ)と同様です。
- 支柱は普及型スチール製防護柵を使用し、打ち込み間隔も同様の3mとしました。このことで、木製防護柵と従来のスチール製防護柵への相互の転換が可能になったほか、擬木・木製品に比べ経済性に優れます。また、木製防護柵の最大の欠点であった、地際部の腐朽に対する不安を解消しました。
- 「防護柵設置基準」P種の強度特性を満足しています。
- 支柱間3mで強度特性を確保するためには、木材直径を大きくする必要がありますが、景観の悪化や、防腐剤コストの増大が伴います。これらを解決するため、木材と鋼材を複合化することで景観と強度のバランスを実現しました。また、木材部は加圧注入方式による防腐薬剤処理で15年以上の耐久性を目標としています。
- 人に優しいデザインです。
- 転落防護柵は、つねに人と接する位置にあります。手に触れる機会の多いビーム材に木材を使用することで、その感触は、夏の暑さや、冬の冷たさから解放されました。また、景観に優れる他、間伐材を使用することで、森林の保育と、循環型社会の形成にも貢献します。
【標準仕様】ビームタイプ:4段・3段タイプは、宮城県グリーン製品認定を受けています。
主要部材 |
規格 |
表面処理等 |
木材部 |
間伐材・小径木円柱加工材 |
県産スギ材 |
防腐処理 |
薬剤加圧注入 |
支柱 |
一般構造用炭素鋼管(STK400) |
亜鉛メッキ・粉体焼付 |
補強材 |
一般構造用圧延鋼材(SS400) |
亜鉛メッキ |
凍結防止箱
宮城県産の間伐材を使用しています。耐久性向上のためAAC木材保存剤を加圧注入しています。文字部は、レーザー焼入れとして褪せることがありません。箱と脚部が分割でき、それぞれが交換出来ます。
案内板
宮城県産の間伐材を使用しています。耐久性向上のためAAC 木材保存剤を加圧注入した、昔ながらの木材(杉)を使用した案内板です。
場所を選ばず景観にマッチし、いろいろな用途にご使用頂けます。